熊本とっぺん通信

「熊本とっぺん通信」日々を、おいしく、うつくしく。

これ以上の、 名役者はいない。

      2015/10/28

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高校卒業後から農家を継いで、当初は米やメロン、畜牛などを行っていた興梠 実(こうろき・みのる)さん。白ねぎ栽培はわずか3年ほど。しかし約半世紀、49年におよぶ農業キャリアがあります。それでも当初は大変苦労されたそうです。

 

 

ハウスから露地へ

それまでメロンはハウス栽培で、ネギは露地栽培*1で、なかなか難しかったですね。最初の年は3月に種を蒔いたんですが、その月にダメになりました。本当に難しいです。

しかし嬉しいことに、できたものを食べたお客様からは、平地でできたものよりも甘みが強い、おいしい、と言っていただいています。糖度を計ったわけではないのですが、おそらく2度くらいは違っていると思いますね。
*1 露地栽培:ハウスなどの特別な設備を使わずに、自然条件を利用して露天の耕地で作物栽培する農法

白ねぎ_興梠実_畑

 

阿蘇生まれの”トロトロ甘ねぎ”

甘みがよく出るのは、土壌のおかげです。阿蘇山のふもとで、火山灰で出来た土地ということもあり、水はけがいいんですね。あとは、高冷地の朝晩の気温差です。ネギに限ったことではないのですが、作物は寒くなると、凍らないように自ら甘みをだすんです。夏場、気温が高くなったときの管理は大変です。大事なことは、気温が高いときに手で触ってはいけないということです。なので、泥をかけて守ります。ネギづくりを始めて3年ですが、気温状況や台風などで適正な管理ができるようになるには10年は必要だと感じています。

 

若い仲間と情報シェア

若手の農家とは積極的に情報交換をしています。情報収集力は若手のほうが高いですからね。その分、こちらのノウハウも伝授します。例えば、台風が来たときの対処の仕方などです。台風がきたときにネギが倒れないように根本に泥を盛るのですが、それにもいろいろとコツがあるんです。台風でも倒れないように土を盛るやり方も教えました。

 

理想の「ねぎ」を目指して

農家の醍醐味は、自分で自由にできることです。その半面、苦労することも多いと思います。その代わり、自分の思い通りの作物ができたときの達成感は本当にすごいですね。言葉ではなかなか言い表せませんが。それと、お客様からの声はかなり励みになります。

ネギはなかなか食卓の主役にはなりませんが、メイン食材の引き立て役としては、これ以上の役者はいないと思います。その中で、主役に近い、ネギだけで食べておいしいと感じる食べ方は、やはり鍋ですね。「食感」と「味」の2つを楽しめます。外シャキシャキとした歯ごたえで、中は甘みがあってトロトロ。鍋のダシを吸いつつ、ネギ自体の甘みを是非味わってください。

 

 - FARMER'S TALK