熊本とっぺん通信

「熊本とっぺん通信」日々を、おいしく、うつくしく。

マニュアル通りでは作れない、 絶対的に違う味があるんです。

      2015/10/28

とまと上田博茂_top

熊本とっぺん野菜には、実に多彩で豊かな農家さんが集まっています。今回ご紹介するのは、熊本とっぺん野菜の「とまと」を手掛けるひとり、上田博茂さん。香川大学農学部を首席で卒業され、22歳で農業を継ぎ、現在35年目のベテラン農家さんです。無農薬米を始めて26年。特別栽培米の産直、アイガモ農法の導入などを積極的に展開し、33歳で内閣総理大臣賞を受賞するなど非常に幅広い活動をされています。そんな上田さんが目指す、熊本とっぺん野菜の「とまと」とは?

 

トマトの勢いが違う。

農作物で土づくりが大事なのは基本です。なかでも、私がこだわっているのは堆肥づくりです。刈干し4トン、米ぬか堆肥4トン、油粕300キロなど有機含有率の高い、高価な肥料を惜しげもなく使います。こうした堆肥を使うと、トマトの「勢い」が違いますね。

もうひとつのこだわりは「食味」です。食べておいしく、ずっと続けて買いたくなるトマトを目指しています。形はいいけど、食べるとおいしくないというのではダメだと思います。しかし、商品(農作物)をブランド化させる(長く愛してもらう)ためには、食べておいしいに加えて「安全・安心」であることが欠かせません。

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「絶対的なおいしさ」を表現する。

私たちの味は、農協のマニュアルどおりにつくったものとは絶対的に違う、それぞれの農家が何十年も苦心して積み上げてきた技術力が生み出した「味」です。これを、「絶対的なおいしさ」と表現しています。

日ごろから、7、8人いるトマト農家で話し合っています。気象情報など、さまざまなデータを毎日記録し、試行錯誤しながら技術力を高めあっています。去年と改善した点として、一例を挙げると、トラクターで畑を耕すとき、深さ40~50センチほどに深耕するようにしました。こうすることで根の張り具合がよくなるんです。こうしたトライ&エラーを1人でやると、いいトマトをつくるのに7、8年はかかってしまいます。ところがみんなで情報を持ち寄ることで、これを1、2年に短縮できると考えています。こうしてみんなで技術力を高めていき、トマト農家全員が鶴屋百貨店でトマトを売れるようになりたいですね。  *通称「鶴屋」。熊本を代表する老舗の高級百貨店。熊本とっぺん野菜の一部野菜も取り扱われている。

噛めば噛むほど旨味がある。

私が作っているトマトは「天使のデザート」という名前をつけて商標登録もしています。子どもが食べてもおいしそうだなと思わせるようなネーミングです。子どもは「食味」に正直です。おいしくないと口から吐き出しますからね。この食味ですが、甘み、コク、酸味のバランスに加えて、口に入れたときに鼻から抜ける香りで成り立つものです。

本当においしいトマトは、噛めば噛むほど旨味が感じられるものです。そうした商品を作り出せるように今後は注力していきたいですね。日本は高齢化社会に入っています。お年寄りは、本当においしいものを少しだけあれば大丈夫なんです。そのために、徹底して、コストと手間ひまをかけていきたいと思います。

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